ここでは、charge settings (充電設定)の変更可能なパラメータを説明する。
かなり原文からかけ離れて意訳しているものもある。
Absorption Voltage
満充電電圧である。鉛蓄電池では、通常14.0Vから15.0Vである。取扱説明書でメーカーの正しいAbsorption Voltage(充電電圧) を設定してください。なお、この電圧は温度によって補正されます。
Float Voltage
フロート充電モードは、吸収充電モード(Absorption) の次の段階です。バッテリーが吸収充電段階
(Absoprtion Stage)で満充電になったあと、SunSaver MPPT がフロート充電電圧まで電圧を落とします。
水素の発生を抑え、満充電の状態を維持します。鉛蓄電池では、フロート充電電圧は、13.4Vから13.7Vです。メーカーの取扱説明書を読んで、フロート充電電圧を確認してください。この設定電圧は、
温度補正されます。
Float - Low Battery Threshold
バッテリーの電圧閾値(フロート用)。バッテリーの放電がいつもより大きいときは、次回のサイクル充電時には、フロート充電モードの前の吸収充電の時間を長くするのが通常です。
この電圧閾値を下回って放電されたときは、吸収充電の時間が、「Time Before Float」の時間ではなく、「Time Before Float -Low Battery」の時間になります。通常以上に放電されたバッテリーの吸収充電時間を長くすることによって、バッテリーを回復することができます。
この電圧閾値のデフォルトは、12.5Vです。したがって、12.5Vより、低くなった時は、吸収充電の時間が
延長されます。
Float - Cancel Threshold
フロートモードキャンセル電圧閾値。バッテリーが通常よりかなり放電されてしまったとき、次回のサイクル充電時は、フロート充電をしない方がいいです。もし、この閾値を下回ったときは、次回のサイクル充電時のフロート充電は行われません。このことによって、吸収充電の時間を増やし、深く放電されたバッテリーを回復します。この電圧閾値のデフォルトは、12Vです。したがって、12Vより、低くなった時は、吸収充電は行われません。(吸収充電が持続します。)
Time Before Float
吸収充電モードからフロート充電モードに移行するまでの時間。すなわち、吸収充電時間。デフォルトは、1時間です。
Time Before Float - Low Battery
吸収充電モードからフロート充電モードに移行するまでの時間。この時間は、バッテリーが「Float - Low Battery Threshold」で設定された電圧閾値を下回ったときに用いられる。
デフォルトは、2時間です。
Time Until Float Exit
フロート充電時に、太陽光パネルの発電が不十分であったり、直流の負荷が大きかったりしたときに、
フロート充電電圧(Float Voltage)を下回ることがあります。このときに、フロート充電モードをキャンセルするまでの時間が、「Time Until Float Exit」です。通常は、吸収充電モードから、フロート充電モードに移行し、夜になりますが、電圧が下回ってTimu Until Float Exitで設定された時間が経過すると、バルクモードになります。
次の画面は、新神戸電機のHC38-12 のバッテリー用の設定例だ。Absorption Voltage 15.2V は取扱説明書の最大値よりも0.2V上。
下の設定例では、次のようになる。
15.2Vになるまではバルクモードで充電し、15.2Vになったら、15.2Vの状態を維持しながら吸収充電を60分間行う。この際、電圧が上昇すると電流を制限する。このときに流れる電流は、バッテリーの容量の1/20程度の電流になる。もし、前日のバッテリー電圧が、12.5Vを下回った場合は、120分間吸収充電を持続する。
もし、前日のバッテリー電圧が、12.0Vを下回った場合は、吸収充電をその日が吸収充電を維持できなくなるまで充電する。吸収充電の後では、13.65Vでフロート充電を夜まで行う。フロート充電では、電圧を維持するだけで、電流はほとんど流れない。もし、途中で負荷の影響等でバッテリーの電圧が降下した場合は、1時間後にフロート充電をやめ、バルク充電に移行する。
